[2005.8月版]

>8/1
ゴザや大理石が

前回コラムに書きましたが
女の子のお店に入って
女の子のモノを
大量に購入して
ゲヘゲヘ言ってた時のことです。

福岡での出来事ですが
ジャスミン店長さんという方が
話のはずみで
「天竜にいい美術館がある」
と教えてくださいまして。
静岡県の天竜です。

その美術館というのが
秋野不矩美術館という所でございまして。

行って来ましたよ。

秋野不矩という画家は
私はまったく知りませんでしたが
この天竜出身の方だそうです。
明治41年(1908)生まれの
女性で
戦前から主に日本画を描いて
活躍されていたそうです。
2001年に亡くなっています。

西洋式の絵画法を
学ぶところから始めた
私にとって
日本画と言うのは
トラウマであり目標でありアイデンティティーであり
その他諸々の
複雑な感情を抱く分野であります。
それについては
いずれ
コラムにするんだか
どうなんだか。

秋野不矩美術館は
ジャスミン店長から聞いた時も
建築が素晴らしいんですよ!
ということでして。

建築に関してはまた
私は
知識とかは全然無いですが
非常な興味と羨望を抱いておりまして
それを堪能することに
けっこうな
喜びを感じているここ数年です。

期待以上に
美術館の概観が素晴らしく
まずはその佇まいを
じっくり味わわせていただきまして。
それから
館内は
靴を脱いで観覧するようになってまして。
それでですね
壁面が美しい
真白の漆喰でして。
床には
ゴザや大理石が敷いてありまして
なんとも
素足で気持ちがいいのです。
漆喰の明るい白のおかげと
見事な
採光&照明設備でもって
館内は大変明るいです。
ただし
自然素材に囲まれているおかげで
通常のギャラリーに感じる
真っ白で超現実的な感触ではなく
なんとも懐かしさすら感じる
明るさです。
素材の違いって
すげーなと
思いましたよ。

見れたのは
秋野不矩のインドを題材にした作品群が数点で
非常にこじんまりとした
展示でした。
しかし絵のせいなのか
建物のせいなのか
非常に
ダイナミックな空間でした。
他の企画展で
別の作家の作品が展示してある様も
是非見てみたいなと
思いました。

それから
思いのほか
人が多くてびっくりしました。
美術館の学芸員の方々も
少々困るほどの
人手でしてね。
しかも学生の団体とか
来ちゃって
展示室の床に座り込んだり
作品の写真を撮り出す始末で
お前ら酒でも入ってんのかと。

お年寄りの方々も多かっただけにですね。
なんとも
くそったれな気持ちになりました。
人がいないのも寂しいですが
人がいすぎるのも
困りもんですね。

それでも
また行きたいなと思わせる
なかなかいい美術館でした。

しかし今年のコラムは
半分くらい
ほとんど旅日記になってないですかね。
大丈夫ですかね。

>8/2
レイシを刻むスピードが

いまだに何か
行っちゃいそうです。
旅に。

まだ生活に馴染んでいません。
そう言うと
ちょっと言いすぎなんですが
あと7%くらい
馴染んでない気がします。
気分によってそれが
2%になったり
46%になったりしますが
とにかく自分の中に
まだ馴染まない感触
また旅に出るんじゃないだろうかっていう意識が
消えないぽいです。

それはそれで楽しんでいたり
鬱陶しがっていたり
特に気にしてるわけでもないんですが。

前回コラムに書いたとおり
静岡慰安旅行に
行ってきたわけです。
その帰路
立ち寄った野菜とかの直売所でですね
すんげーでけー
レイシを
買いました。
ゴーヤーとかにがうりとか言うやつです。
で同じくそこの直売所で
豆腐も買いました。

こうなりゃ作るべき料理はひとつ。
ゴーヤーチャンプルーです。

作りました。
うまかった。

ところで
自炊なんてしたのは
ホントいつ以来かと。
もしかしたら
今年初じゃなかろうかと。
あながち
否定できません。

洗濯して掃除して自炊して
音楽を聴いてバイトに行って
風呂に入ってネットして
コラム書いて
絵を描いて。
そんな当たり前の生活が
ああすげー日常だ!
と思います。
つまりは
己が今
長い旅暮らしのせいで
ちょっとだけ
非日常になってるわけかと。
レイシを刻みながら
思い至ったわけです。

日常とか
普通とか
そいうことを考えてみると
案外分からないものですが
一度それからはみ出た生活を送ることで
少々の日常感覚が
理解できた気がします。
きっと
海外とかに行ったりすると
そういうの分かるんだろうなと。

率先して
非日常世界に
突っ込んで生きたいタイプですが
そのために
日常と
非日常の
やんわりとした境界を
自分なりにでも
持って
そこをふらふらしてみたいのやも
しれません。

非日常を日常にしてしまっても
それはそれで
サイケになってったり
いろんな未知の領域に
行っちゃうんでしょうけど。
日常だって
いいよねぇしみじみ
ということです。

しばらく自炊してない間に
レイシを刻むスピードが
アップしている気がします。
それと
ちょっとだけ
目が悪くなったかも
しれません。


>8/3
あつくねーよ、夏。

暑いですか。
どうですか。

全国の学校という学校が
暑くて授業やってらんねぇよと
その業務を放棄する程の季節
私田中は
今日も
埼玉県某所のパチンコ屋屋上です。
トタン屋根です。
灼熱の太陽光が
トタンを灼熱にしています。
上から下から
熱波が。

もうね
こうなりゃ
暑いとか熱いとか
そんなん知るかと。

自然の前には
人間は無力だ。
我々は
ちっぽけな存在に過ぎない。

それでいいじゃないですか。
もうどうだって。

電車に乗ってると
ああこの人は
外でガシガシ働く人だ
他の連中はみんな
クーラーの効いた室内で
ハッスル営業だ
そんなことに気づかされます。
もうね
装備が違いますもん。
ちんけな装備じゃ
人間など
あっという間に文字通り
干されてしまうわけです。
この季節は。

だからねー
もう私は
下界に降りれると
なんて涼しいんだと
電車の中は
なんて涼しいんだと。

何度もコラムに書いてる気がしますが
我が家には
冷房設備は
水の出る蛇口くらいしかありません。
でもね
あのトタン屋根の屋上に比べたら
夜なんてもう
全然快適じゃないですか。

毎年
こうやって夏を乗り越えていきます。
学生のころは
夏にちゃりんこ旅行に行ったりして
それに比べれば
我が家は寒いくらいさ!
というテンションで
乗り切ってた気もします。

だからね
皆さん口々に
あちいあちい
溶けるよ死んじゃうよ
などとおっしゃっておりますが。

あつくねーよ、
夏。



>8/13
ビニール袋をはがして

横浜のドヤ街
寿町で毎年恒例の
寿町フリーコンサートに行って来ました。
去年初めてはっすぃに
連れてってもらって
今回は二回目。

目前に控えた
東北ちゃりんこ旅行の準備のために
あれこれ買い物をしなくちゃいけなくて
寿町に着いたのは
午後6時を過ぎていました。

演者はもう
最後から二番目の
金尾義郎BAND&酒井泰三。
金尾BANDも去年出てたのを覚えていましたし
酒井泰三は去年の寿で
とんでもねーギター使いがいるもんだ!と感心し
いつかライヴに行きたいなと
思っていた人でした。
1年経っちゃったねぇ。

1年と言われると
この1年間は私にとって非常に濃密で
あれから2年も3年も経ったような
そんな気がしてたんですが。
ドヤ街にいる
おっちゃんおばちゃんたちの中には
強烈に覚えている人とかもいて
客の中にも
何となく見たことあるような人がいて
素直に
みんな生きてて良かったなぁと
嬉しく思いました。

最後は
マーガレットズロース&友部正人。
これを見に来たようなもんです。

友部さんのホームページで
友部さんが
「ずっと(ボブ)ディランを追いかけますね」
と書いていてですね。
会場に友部さんが登場した時
真っ赤なTシャツの胸に
BOB DYLAN
って書いてあってですね。
そして
ディランの
Like a rolling stone
を歌ったりしてですね。

あとマーガレットズロースが
「あたらしい絵」
という絵の歌を歌ってくれて
嬉しかったんですが
ボーカルの平井くんは
絵も描いていて
そのポストカードを
売っていました。
いい絵だったので買いまして
12枚セットで
1500円だったんですが
2000円を出すと
平井くんが
「こっちのCDは500円ですよ。」
と言うので
思わずそっちも買ったんですよ。
お釣りを渡すのがめんどくさかったのかな。
私は
そんな営業をすることのほうが
めんどくさいんだけれど。
めんどくさいとかは思ってないかな。

しかし
なんか他人の気がしないな
平井くんと思ってたら
やっぱり絵を描く人だったなんてねぇ。

ちなみに
その買ったCDには
Margaret Drawers
と書かれていて
あいつらDrawersだったのかよ!と
驚きました。

んで
友部さんのCDも買ったら
友部さんが
それを黙って手にとって
ビニール袋をはがして
「何て名前ですか?」
と聞いてきたので
本名を申しましたところ
ジャケットに
サインを入れてくれたのでした。
「ありがとうございます」と
言って笑うと
友部さんも笑ってくれまして。
去年何もコンタクトできなかった
田中さんにしては
上出来でした。
レジうちをしてくれたのが
ユミさんだったのかなぁ。

ああ
なんだか
今日の友部さんは
はかない感じだったなぁ。
高田渡!とかどんと!とか言ってる奴がいて
まだ
そっちには行かないで欲しいな
友部さん。

しかしながら
なんであんな
ステキコンサートに
野狐禅はいないんだ!


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