[2005.2月版]

>2/7
私のことを雨男などと

先月はコラムをみっつしか書きませんでした。
だって たいへん だったんだもの
ただし

個展が終わりました。
おかげさまで。
私のことを雨男などと言ってた人がいましたが
会期中は天候に恵まれ
毎日ちゃりんこ通勤しておりましたよ。
だから
雨男の名称
取り消せっ!

個展の模様は追々
書いていくんだか
書いていかないんだかですが
非常に良かったです。
あんまり自分で
田中頑張った!などと賛辞送ることは
しませんが
今回ばかりは
よく頑張った!と思いました。
素で。

個展をやったら
なぜか
コラムタナヵおもろいっすね田中さんと
言われることもありまして。
田中さんが
個展やった人の作品集にコラム書いたからでしょうかね。
コラムは
私の場合は
見事に趣味なので
気楽でいいですわホント。
喜んでもらえるようなので
これからも
ちょくちょく更新したいと思います。

個展の会場でもちょこちょこ書いてました。

あと
ひとつ個展で学んだことは
私は接客とかすげー向いてないっつーことです。

人が来てくれるとそりゃあ嬉しいですが
お話とかたくさんしたいですが
より長い時間ひきとめようとしますが
やっぱ向いてないのね。
人が帰った後
がくっとしんどくなるんですよ。
一日に19人の方が来たのが
最高記録でしたが
その日
帰りのちゃりんこに乗ってて
こりゃあこのまま寝れるなと
思いました。
ちゃりんここぎながら猛烈眠かったのは
北海道の美唄市光珠内から滝川市新町までの29.2kmである
日本一長い直線道路を走った時以来でした。

もう
あんまり
目が見えてなかったです。

でも人と話すの好きですよ。

じゃあそんな感じで
またコラム書いていきます。


>2/9
知らずに応えてたんだ

東京都世田谷区砧公園。
いつも砧が読めません。
「きぬた」と読むそうです。

漢和辞典で調べたら
いろんなものを乗せて
叩いたり切ったりする土台の石のことを指す言葉のようです。
ほんわかしたイメージもあり殺伐としたイメージもあり
なかなかに
意味深い文字でした。

その砧公園の一角に
世田谷美術館がありまして。
その中に区民ギャラリーつーのがありまして。
そこで
今月の16日から20日まで
高田理沙・長谷川美代子展が
開催されます。
二人とも
私の大学の同期で
一度他のメンツも交えて
グループ展を学内でやったこともありました。
個人的には
あの展示は無かったことにしたかったですが
それも今となっては
いい思い出です。

りっさーとみよこさんは
二人とも
よく人の顔を描いていてですね。
今回の展示のDMも
人の顔がありました。

私も学内にいたころは
周囲から望まれるのもあり
人の顔を似せて描いていました。
それは
大学を出て
ああ
周りの人の期待に知らずに応えてたんだなぁと思い
似せて描くのはやめたのでした。

りっさーもみよこさんも
人描きです。
似顔絵かどうかは分かりませんが
私と同じような感覚で
人と絵に接している気がしています。

私の卒制の作品を飾った部屋で
二人は
しげしげと作品をみつめて
「やー いいねー」
と言っていたのが思い出されます。

何か
人に対する感覚で
私とは不思議な共通意識を感じる二人です。
二人は仲良しなので
二人がそれぞれ
人の顔を描いて
二人で展示をするのは違和感がありません。

私は
人の顔を似せて描くのは
あんまりやらなくなり
それ以外のことに
気をつかうようになりましたが
さてさて二人はどんなふうになったのか。

非常に楽しみです。

いや楽しみなんですけどね。

16日から私は札幌に出張なのでした・・・・・・・・。
うわーーーーーーーーん!!
勘弁してくれやぁーーーー!!

とりあいず15日に準備で二人ともいるらしいので
行けそうだったら
会ってこようと思います。

図らずも
同じ時期に二人展をやってる
辻香子・立原裕子展の
立原さんも
友達なんですわー。

砧公園行って来ます。


>2/11
髪型はいつもチェックしてるから

今日は相棒氏と
一日を共にしたんですが。
んで
また毎度の事ながら四方山話を
繰り返してたわけですよ。

で彼の家に行って
彼が帽子を脱いですげえ適当な髪型になってるのを見て私は
「髪切ったほうがええよ」と
何気に言ったのでした。
そしたら相棒の様子が尋常でなくなり
いきなり
目がうるうるしてきたのでした。

どうしたのかと聞くと
「今までも髪が伸びたら、おかしいぞ切ったほうがいいぞと言われてたんじゃあ!」
と取り乱し始めまして。
「でもここ数年はそんなふうに言われて無かったから
自分のルックスは自分で把握して
その点に関しては完全に克服したと思っとったわ!」
と。
彼は自分のその伸びた髪を見ても
まったく普通に見えるらしいのですが
私には
どう見てもおかしいのです。
たぶん電車の中で見たら
あいつおかしいわって思うと思うよと言ったのでした。

それから
相棒とは自分の認識についての話になり。
我々も大学を出て
もう3年目。
そろそろ社会的にも認められ始め
人に怒られることもあまり無くなり
自分のポジションも定まってきて
とりあえず
自分のことについては
自信をつけてきた時期だろうと。

そして
そういう時期こそ危険なのだ!!と。

自分に自信がついて
自分に対してちょっと甘くなってしまって
人は過信や奢りが
始まるのではないでしょうか。

オレってかっこいいよねとか
私って暗くないよねとか
オレの髪型はいつもチェックしてるから大丈夫だとか
そういう
見当違いが始まってしまうように思います。

非常に危険だと思いました。

むしろ
自分で今当たり前だと
当然だと
普通だと
常識だと
そう思っていることを疑ってかかる必要があるでしょう。

これからも
一層身を引き締めて
生活していかなくてはならないなと
思った次第です。


>2/13
いい具合にぬるい憂鬱が

個展の間はずっと会場に
ipodで音楽を流していたのでした。

流していたものは別に今回のために選出した曲などではなく
私が普段聴いているものばかりでした。
私は
それらの曲を聴きながら
日々生活して
絵を描く時も聴いていたので
会場で音と作品が少しばかりの化学反応をかますかもと
思っていたのでした。
その意図が成功したか否かは
どっちかっつーと成功したかもな
くらいの認識です。

んで全曲シャッフルにしてたので
いろんな音が流れて
実は会場にずっといた私が
一番味わっていたのです。
その中で
自分の中で再発見だった曲やミュージシャンがいまして。
いくつかあったんですが。
やっぱ音楽は
自宅でじっとして聴いてるだけじゃないなと。

中でも
斉藤和義がおーっと思いました。
斎藤さんは私が高校入学して間もなく
クラスメートのたわけさんに
L⇔Rといっしょに
ええよと教えられたのでした。
当時私は
サザンとB'zとweezerと嘉門達夫くらいしか
CD持ってませんでした。

当時、斎藤さんは確か
[Because]を出した時期で
どうやら世間的にも彼の認識が高まり
評価も定まってきた頃のようでした。
んで私も当時
どっちかっつーと斎藤さんのキャッチーな部分に惹かれててですね。
その後
斎藤さんは少しの間
悪く言えば
斎藤さんらしからぬ感じ
良く言えば
世間的な評価に反発するように彼の中の
世間的に売れ筋でない音楽観を見つめるような
そんな曲を作ってたと思います。

それからまた最近になって
[Because]とかその前の[ジレンマ]のころの
純度の高いメロといい具合にぬるい憂鬱が混じる路線に
戻ってきたように思います。
前ほど猛烈に好きではなくなった私ですが
そういや
斎藤さんのアルバムは出る度に買っているのでした。

んで実は
だいぶ飽きてきた私だったのですが
今回
その個展会場で
斎藤さんの曲に触れてですね。
その曲の持つ
けだるさと
自然な愚痴っぷり反骨っぷりが
久しぶりにぐっと来た田中でした。
思ったのですが
斎藤さんの持つけだるさは
実は激しく冷静な
彼の視点にもつながっていてですね。
斎藤さんが見る
世の中の情景に対してもそうですが
己の中に湧き上がる感情にすら
非常に冷めた視線を浴びせていて
それを
全く力を抜いて
曲に仕上げている感があります。
たまに
力入っちゃうんだけど。

私が斎藤さんの曲で一番好きなのは
[ソファ]です。

あと斎藤さんと
斎藤さんを紹介してくれたたわけさんは
どことなく似ている気がします。
とりあえず
スピードは同じ。


>2/14
と言う程の剛の

前年>10/20コラムに書いた
夜勤バイトの後輩のために描いた
絵ですが。

個展の直前に仕上げることが出来て
会場で
あまりにヒマな時とかに
その絵に合う額を
自作してたりですね。
mhashiさんが来た時は
板をガリガリ切ってました。

んでその額も
いいように出来て
しばらくして
彼が個展に来てくれてですね。
彼は
赤いものが好きで
バイクも赤
ipodもU2限定モデルの黒と赤のやつ
買って
かっけーかっけーと言ってた程の男です。

私の絵を見ても
題名が「緑の音楽」なのに
「赤いですね!」
と言う程の剛の者です。
すごいよ君。

んで
そんな彼の性格をなんとなく把握して描いた
その絵を
彼に渡すと
もうなんか興奮しすぎて
わけわかんなくなってました。
赤も入れておいたしね。

とにかく私の他のどの絵よりも
彼にはその絵がツボだったようです。
ずっと彼のことを考えて
あれこれ描いて
描き直して
完成したやつが彼のツボにはまったというのは
私には
まったく意外なことでした。
意外と言うか予想外と言うか。
そこまでツボなのかよ!
ということです。

私の持つ彼のイメージで描き上げた絵が
彼のツボにはまる。
不思議でした。
私の彼に対するイメージが
ちゃんと正確に彼の姿を捉えているとは思えないですし
まして
私がいつも見ている
バイト先の彼の状態が
素の状態であるはずもないのですが。
彼自身からにじみ出る
その人生観とか
いろんなものが
私の無意識なところに触れて
絵になったのでしょうか。

私はいつも
自分の仕事のことを
何かを感じて
何かを描いてるなー
田中さん
と漠然と思ってますが
その「何か」を
これほど顕著に感じた体験は
それが初めてでした。

あいつ
就職先みつかるといいな!


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